ブレーキ工房 K-CRAFT

オリジナルブレーキキット・オーバーホール

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ランドローバー ディフェンダー110 ブレーキカスタマイズ キャリパー整形塗装+ブレーキロータースリット加工

      2023/08/19

こんにちは、店長の林です。
焼けつくような日差しが続く今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

さて、今日のお客様は、僕も大好きランドローバー社のディフェンダー110 300Dが、ご来店くださいました。

キャリパー整形塗装ご希望ですので、まずは、ショールームの展示品をホイールに近づけイメージしていただいております。

オールブラックのボディーに強靭な22インチホイールですから、何色でもマッチングしますので、ある意味悩ましいところですね!

 

オーダーいただき、入庫日が決まりましたので、ピットインです。


オーナー様

兵庫県  〇〇様

車輛・・ランドローバー・ディフェンダー110 300D

キャリパー・・整形塗装

カラー・・サンセットオレンジ

文字・・ F・・LANDROVER +brembo     R・・LANDROVER

ローター加工・・表面研磨+ごんブト12本スリット加工

ローター塗装・・外周部(錆除去+錆止め焼き付けエポキシ)

ハット部・・汚れ落とし、ポリッシュ仕上げ



ブレーキパッド・・面研磨

 

 

取り外した、22インチ車に装着される下記スペックのブレーキです。

F・・6POTブレンボキャリパー      ローター径 380mm
R・・1POT TRWキャリパー   ローター径 365mm   

 

 

お預かり時、ホイール脱着時にホイールと当たったと思われる傷が、見受けられます。
ホイールを外す際、装着する際に絞ったタオルを当てるように、掛け声一発で解決できる作業事故です。
こういうのを見ると、悲しくなるのは、私だけでしょうか?

 

 

外したリアキャリパーです。残念ながら鋳鉄に付き物の凸凹が・・。

 

 

外したフロントローターです、走行が少ないので、表面は、キレイなものです。

 

 

しかしながら、外周部分は、一切の錆止め塗装が施されていませんので、すでにサビサビ。

 

 

この錆をサンドブラストにて、除去して、ローター表面も修正研磨仕上げ後に
耐熱防錆塗装前の脱脂、脱脂剤を完全乾燥させるために、乾燥庫で180℃で熱を入れてます。

 

 

冷却後に耐熱防錆エポキシ塗装を施します。きっちりフィンの側面まで塗料が付くように
丁寧に塗り込みますが・・

 

裏返すと、実はこうなってます。ペインターなら分かりますよね。

 

再度、塗料が入ってない部分を塗り込み、自然乾燥させます。

 


その後、100℃で40分程度熱を入れて、仮焼き後に・・

 

いよいよ180℃に設定して2時間乾燥させます。

 

お次は、キャリパー関係です。
外せるものは、外して、サンドブラストにて汚れ、足付けを行いますが、ここが肝心!
このアルミキャリパーが、黒っぽいのは意味がありますよ。
硬質アルマイトといって、腐食しやすいアルミを守るためと表面硬度を固くして金属の擦れから守ったり、
電蝕を防いだりと、重要な役割を持っています。よってその硬質アルマイトをブラストから守るべく、パッドピンの通る穴であっても
マスキング用プラグでガードしたり、タイロッド(キャリパー開きを防止するセンター金具)・・アルミと鉄による電蝕を防ぐためガムテープで
マスキング、、勿論ブレーキパッドが、当たる両側面パッドガイドや、ブレーキホースのバンジョウが当たる面等も、電蝕や、パッドの止まる際に
発生する前後の衝撃から守るべくマスキングしてから、サンドブラストします。


フロントキャリパーサンドブラスト完了

 

 

 

お次は、リアキャリパー純正状態。

 

 

 

リアキャリパー整形後。

 

 

 

リアキャリパーは、鉄に付きメッキ処理しておりますので、前述の通りメッキにも
意味がありますので、ガイドやナックル接触面等ガムテープで養生してサンドブラストしていきます。

 

 

中々、ブログが前進しませんので、一気に割愛して、サーフェィサー完成。
サーフェィサーというのは、錆止め、肌の円滑化、密着性のUP,薄いパテ替わり等、さまざまな役割を担います。
フロントの乾燥が終わったところですが、全面の少しの段差を取ったり、全面の塗料の密着性を上げるべくサンドペーパーや
スコッチブライト等で足付け(表面に小傷を付けて塗料が、根を張るように傷の中に浸透することで密着性が高まる)をします。


 

リアのアームは、特に整形研磨時に段差が発生しますので、入念にペーパーで消して行ったり、
巣穴が出来たりしているところは、何度かパテを入れたりと塗装前の下処理を入念に行うことによって
仕上がり大きく違いがでます。


 

 

お客様オーダーのサンセットオレンジは、車のボディーカラーと違いカラーコードが、ございませんので
下塗りの色を想像し、その次にクリアにパールカラーを混ぜたものを塗って、最後にクリアでコートしてから
初めて思い通りの色になるのか?

何度も下塗りの色を塗ってから、あ~でもない、こでーもないを繰り返します。

 

 

ようやく、サンセットオレンジに近づいてきましよ~ うれひ~♪

 

 

 

十分乾燥させてから、いよいよデザイン担当者が、絶妙なバランスで仕上げたカッティングシートが、用意されております。
このチームワークが、当店の自慢です。

 

 

 


真っ直ぐなものは、まっすぐ!

と言いながら僕の鷲鼻なんとかなりませ~ん?
中学の時からポットとあだ名をつけられ・・ 涙。

 

 

はい、次の工程は、塗装工程ですが、この37℃の熱波の中、コッテリツルピカを達成すべく培ったノウハウは、
思いっきり割愛させていただきます。
ペインターの方は、この時期の苦労が、分かち合えると思いますが・・

2日間に渡って、クリアの工程を終了して、乾燥庫で完全乾燥させます。


 

 

お次は、ローター加工担当者、事務、接客、営業の小林が、スリット加工を施します。
しかし、このローターは、丈夫で、超絶重い。女性が、この重いローターを持ち上げるのが、素敵です。かっこええ~!

 

 

 

完成したキャリパーの磨きも完了して、手分けして組付けております。

 

 

絶体に傷を着けない様に養生して、パッドピンを打ち込みます。                                

 

 

【完成】

【フロントキャリパー品
指で触っても、目で見ても文字の段差が感じない仕上げが自慢です。
最高級の塗料、最高級のクリアを使用し、全社員が、同じ志を持って仕上げた逸品です。

どうか画像をクリックして大きな画像で、見てあげてくださいませ。


 

 

【リアキャリパー完成品】
整形担当者が、金属まみれで仕上げた曲面です。
塗装担当が、曲面でクリア塗料が垂れることなく時間と今まで培った技術で仕上げた逸品です。

どうか画像をクリックして大きな画像で、見てあげてくださいませ。

 

 

【Fブレーキローター完成品】
これで、外周の錆もシャットアウト。
太いスリット(ごんブト)で、ブレーキパフォーマンス大幅アップ。

お次は、リアキャリパーお尻から。

真ん中の大きなマルは、電動パーキングモーターの接地面になります。
Oリングが、ついておりモーターに水が侵入しないように面がでておりますので。
絶体に塗装してはいけない部分です。

 

【Fキャリパー+ローター装着完了】
カッコいいとしか、言いようがないでしょ?

 

 

【Rキャリパー+ローター装着完了】

 

持ち上げる重量の限界を軽く超えましたので、リフトの上下動を利用してボルト穴を合わせてます。

 

 

 

キャリパーは、このように湿らせたタオルで養生して塗装を保護しております。
こんなことも出来ない整備工場あったり、出来ない言い訳するようなSHOPとは、即取引停止!

【Fホイール洗浄+装着完了】

 

【Rホイール洗浄+装着完了】

 

【SHOP前にて】
車が、自慢気にこちらを見ているように見えるのは、気のせいでしょうか

オーナー様へ、この度は、お忙しい中ご依頼いただきまして、まことにありがとうございます。
今後共、末永いお付き合いよろしくお願いいたします。

追記

お客様が、引き取りに来られるまでのこの景色が、最高ですね。

ディフェンダー最高!

この度は、長々とお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
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